技術者が罪に問われた事件・2019年・起訴猶予
アラートループ事件
アラートループ事件(英語名 Alert loop case)は、ネットの掲示板にURLを書き込んだ中学生1人と成人の男性2人が不正指令電磁的記録供用未遂の疑いに問われた事件です。男性2人は書類送検され、2019年5月に神戸地検が起訴猶予としました。中学生は補導され、その後の扱いは公表されていません。
要点
- 立場ネットの掲示板にURLを書き込んだ中学生1人と成人の男性2人
- 問われた罪不正指令電磁的記録供用未遂の疑い
- 結論男性2人は書類送検され、2019年5月に神戸地検が起訴猶予としました。中学生は補導され、その後の扱いは公表されていません。
- かかった年数最初の捜査と同じ年に結論
問題とされたこと
閉じても閉じても「何回閉じても無駄ですよ」という表示が出続けるページのURLを、ネットの掲示板に書き込んだことが、ウイルスを使おうとした罪の未遂の疑いとされました。
経過
2019年3月4日から2019年6月24日までの記録。日付は出典が示す細かさで載せています。
- 2019.03.04
兵庫県警が13歳の中学生を補導し、成人の男性2人の家を捜索したと報じられる
- 2019.03
男性2人が神戸地検に書類送検される
- 2019.05
神戸地検が男性2人を起訴猶予とする
- 2019.05.29
男性2人の弁護人が声明を出し、起訴猶予ではなく嫌疑なしとすべきだったと検察を批判
- 2019.06.24
上原哲太郎教授が、ブラウザを閉じれば済むプログラムがウイルスに当たるのか検討すべきだと書く
争点
ブラウザを閉じれば止まるいたずらのページがウイルスに当たるのか、動きをよく知らないページのURLを書き込むことに、他人のパソコンで動かす目的があったといえるのかが問われました。弁護人は声明で、起訴猶予は罪を立証できるが事情を考えて起訴しない処分であり、検察は嫌疑なしとして、ネット上の表現をためらわせる影響を取り除くべきだったと批判しました。
その後
- 弁護人は、検察が公判を維持するのは難しいと判断したのは、Coinhive事件の一審の無罪判決などを受けたものと推測しました。
- ITmedia NEWSは、Webエンジニアの間で摘発の線引きが分からないという戸惑いが広がり、サイバー攻撃を解説する勉強会を控える動きも出ていたと伝えました。
出典
- 「ブラクラ」補導、不当か妥当か ネットリテラシーと大衆化のジレンマ ITmedia NEWS・2019-03-07
- 「あなたブラクラ貼ったでしょ?」→39歳男性を書類送検 検挙男性が明かす「兵庫県警“決めつけ”捜査の実態」 ねとらぼ・2019-03-20
- アラートループで書類送検の男性2人、起訴猶予に 「嫌疑なしにすべきだった」担当弁護士が異例の声明、検察を批判 ITmedia NEWS・2019-05-30
- アラートループ事件の被疑者2名に対する起訴猶予処分を受けて(声明、保存版) 横浜パーク法律事務所(弁護人)・2019-05-29
- 第569号コラム「ウイルス罪の運用が最近変な方向に行ってないか?」 デジタル・フォレンジック研究会・2019-06-24
最終確認日 (2026年10月24日)
監修 平原尚樹(株式会社BlueAI 代表取締役CEO、ソフトウェアエンジニア、Google Cloud Architect)