技術者が罪に問われた事件・2010年・有罪
イカタコウイルス事件
イカタコウイルス事件(英語名 Ika-Tako virus case)は、原田ウイルス事件の有罪判決で執行猶予中だった元会社員が器物損壊に問われた事件です。一審の東京地裁は懲役2年6か月の実刑とし、2012年3月に東京高裁が一審を取り消して懲役2年4か月を言い渡しました。
要点
- 立場原田ウイルス事件の有罪判決で執行猶予中だった元会社員
- 問われた罪器物損壊
- 結論一審の東京地裁は懲役2年6か月の実刑とし、2012年3月に東京高裁が一審を取り消して懲役2年4か月を言い渡しました。
- かかった年数最初の捜査から結論まで約2年
問題とされたこと
ファイルを開くとパソコンの中のファイルをイカやタコの画像に書き換えるウイルスを作り、ファイル共有ソフトでダウンロードさせて感染させたとされました。感染したパソコンでは約6万4千件のファイルのうち約1万1千件が書き換えられ、元に戻すのがとても難しい状態になったとされました。
経過
2010年8月4日から2012年3月26日までの記録。日付は出典が示す細かさで載せています。
- 2010.08.04
警視庁が、ファイルをイカやタコの画像に書き換えるウイルスで他人のパソコンのファイルを壊したとして、作者を器物損壊の疑いで逮捕したと発表
- 2011.07.14
ウイルスを作ることを罰する不正指令電磁的記録に関する罪の施行
- 2011.07.20
東京地裁がハードディスクの働きを害したとして器物損壊を認め、懲役2年6か月の実刑判決
- 2012.03.26
東京高裁も器物損壊を認めたうえで一審を取り消し、懲役2年4か月を言い渡す
争点
ウイルスを作ることを罰する法律がまだ無かったため、物を壊す罪である器物損壊が使われ、物理的に壊していないハードディスクも壊したといえるかが争われました。被告側は無罪を主張しましたが、東京地裁は、データが読み出せなくなったことでハードディスクの働きが害されたと認めました。
その後
- トレンドマイクロは判決へのコメントで、事件のときはウイルスを作ることを取り締まる法律が無く器物損壊罪が使われたこと、2011年7月14日からはウイルス作成罪を使えるようになったことを述べました。
出典
- 「原田」以降の技術向上を試したかった--イカタコウイルス作成者を逮捕(警視庁) ScanNetSecurity・2010-08-05
- 破壊型トロイの木馬「タコイカウイルス」の作者に実刑判決 Security NEXT・2011-07-20
- 「タコイカウイルス」作者の実刑判決にコメント(トレンドマイクロ) ScanNetSecurity・2011-07-22
- イカタコウイルス事件、懲役2年6月の実刑判決 財経新聞・2011-07-20
- 2012年 判例・裁判の動き(“イカタコウイルス”器物損壊事件 控訴審) 日本ユニ著作権センター・2012-03-26
最終確認日 (2026年10月25日)
監修 平原尚樹(株式会社BlueAI 代表取締役CEO、ソフトウェアエンジニア、Google Cloud Architect)