技術者が罪に問われた事件・2012年・誤認逮捕
PC遠隔操作事件の誤認逮捕
PC遠隔操作事件の誤認逮捕(英語名 Remote-controlled PC wrongful arrests)は、遠隔操作のウイルスに感染したパソコンの持ち主4人が威力業務妨害などに問われた事件です。4つの警察が4人全員の誤認逮捕を認めて謝罪し、2012年12月に捜査の検証結果を公表しました。
要点
- 立場遠隔操作のウイルスに感染したパソコンの持ち主4人
- 問われた罪威力業務妨害など
- 結論4つの警察が4人全員の誤認逮捕を認めて謝罪し、2012年12月に捜査の検証結果を公表しました。
- かかった年数最初の捜査と同じ年に結論
問題とされたこと
2012年6月から9月に、他人のパソコンを遠隔操作するウイルスを使って、学校や幼稚園への襲撃予告、伊勢神宮の爆破予告などが送られました。警察は送信元のIPアドレスを主な根拠に、感染していたパソコンの持ち主4人を逮捕しました。
経過
2012年7月1日から2015年2月4日までの記録。日付は出典が示す細かさで載せています。
- 2012.07.01
神奈川県警が、横浜市のサイトへの小学校の襲撃予告で、都内の大学生を逮捕
- 2012.08.26
大阪府警が、大阪市のサイトへの大量殺人の予告で、大阪の男性を逮捕
- 2012.09.01
警視庁が、幼稚園などへの襲撃予告で、福岡の男性を逮捕
- 2012.09.14
三重県警が、伊勢神宮の爆破予告の書き込みで男性を逮捕。男性は否認し、9月21日に処分保留で釈放
- 2012.10.19
三重県警が男性に誤認逮捕を謝罪
- 2012.10.21
警視庁と大阪府警が男性2人にそれぞれ謝罪し、4つの警察が4人全員に謝罪したことになる
- 2012.12.14
4つの警察が検証結果を公表。IPアドレスに頼りすぎたこと、知識の不足、不適切な取り調べを要因に挙げる
- 2012.12.19
日本弁護士連合会が会長声明で、第三者による検証と取り調べの録画を求める
- 2015.02.04
東京地裁が、遠隔操作をした男に懲役8年の判決(求刑は懲役10年)
争点
送信元のIPアドレスが、そのパソコンの持ち主が送った証拠になるかが問われました。4つの警察の検証は、IPアドレスの証拠としての価値に頼りすぎたこと、捜査員のサイバー犯罪の知識が足りなかったこと、不適切な取り調べがあったことを、誤認逮捕の要因に挙げました。
その後
- 4つの警察は再発防止として、ウイルス感染を念頭に置いた捜査、逮捕の前のパソコンの解析、民間企業との連携の強化などを挙げました。
- 日本弁護士連合会は、検証は第三者を交えない内部の調査にとどまると指摘し、取り調べの全過程の録画を求めました。
- 遠隔操作をした男は2015年2月に東京地裁で懲役8年の判決を受けました。
出典
- 4件すべて誤認逮捕と認め謝罪 PC不正操作事件で分かった、いいかげん捜査 J-CASTニュース・2012-10-22
- 三重県警が誤認逮捕謝罪 遠隔操作、釈放男性に 日本経済新聞・2012-10-19
- 遠隔操作、誤認逮捕取り調べ「不適切」 4警察が検証結果 日本経済新聞・2012-12-14
- PC遠隔操作による脅迫メールえん罪事件をめぐる警察検証結果についての会長声明 日本弁護士連合会・2012-12-19
- 遠隔操作ウイルス事件、片山被告に懲役8年 東京地裁判決 ITmedia NEWS・2015-02-04
最終確認日 (2026年10月24日)
監修 平原尚樹(株式会社BlueAI 代表取締役CEO、ソフトウェアエンジニア、Google Cloud Architect)