事例・2024年
岡山県精神科医療センター ランサムウェア被害
岡山県精神科医療センター ランサムウェア被害(英語名 Okayama Psychiatric Medical Center ransomware attack)は、医療で起きた事例です。侵入口、決定的な失敗、被害の順に、公表資料の記載だけで図にしました。
- 認証
- 検知
- 復旧
- 更新
要点
- 侵入口 データセンターに設置した電子カルテ保守用のSSL-VPN装置から侵入された。
- 決定的な失敗 閉域網だから安全という思い込みのもと、院内の全サーバー・端末でWindows Updateなどの脆弱性対策が行われておらず、すべての一般ユーザーに管理者権限が付与されていた。
- 被害 電子カルテをはじめとする院内システムがランサムウェアに感染し、本院と東古松サンクト診療所を含む法人内の全カルテが閲覧できなくなった。
攻撃の道筋
入口から、決定的な失敗を経て、被害に至るまで。図の番号は下の説明と対応します。図の文言は事例の記録からの引用です。
- 1侵入口SSL-VPN装置
同装置のID・パスワードは administrator/P@ssw0rd という推測可能なものが使われ、2018年の設置以降、脆弱性が修正されていなかった。
- 2決定的な失敗院内の全サーバー・端末
閉域網だから安全という思い込みのもと、院内の全サーバー・端末でWindows Updateなどの脆弱性対策が行われておらず、すべての一般ユーザーに管理者権限が付与されていた。
- 3決定的な失敗管理者のID・パスワード
さらに管理者のID・パスワードが院内で使い回されていたため、侵入後の資格情報窃取と水平展開を容易にし、短時間での暗号化を許した。
- 4被害全カルテ
電子カルテをはじめとする院内システムがランサムウェアに感染し、本院と東古松サンクト診療所を含む法人内の全カルテが閲覧できなくなった。
- 1侵入口SSL-VPN装置
同装置のID・パスワードは administrator/P@ssw0rd という推測可能なものが使われ、2018年の設置以降、脆弱性が修正されていなかった。
- 2決定的な失敗院内の全サーバー・端末
閉域網だから安全という思い込みのもと、院内の全サーバー・端末でWindows Updateなどの脆弱性対策が行われておらず、すべての一般ユーザーに管理者権限が付与されていた。
- 3決定的な失敗管理者のID・パスワード
さらに管理者のID・パスワードが院内で使い回されていたため、侵入後の資格情報窃取と水平展開を容易にし、短時間での暗号化を許した。
- 4被害全カルテ
電子カルテをはじめとする院内システムがランサムウェアに感染し、本院と東古松サンクト診療所を含む法人内の全カルテが閲覧できなくなった。
被害
電子カルテをはじめとする院内システムがランサムウェアに感染し、本院と東古松サンクト診療所を含む法人内の全カルテが閲覧できなくなった。岡山県警察本部により情報窃取と情報漏洩が確認され、氏名、住所、生年月日、病名等を含む最大約40,000人分の個人情報漏洩の可能性があるとして公表された。電子カルテの完全復旧は2024年8月17日
決定的な失敗
- 1閉域網だから安全という思い込みのもと、院内の全サーバー・端末でWindows Updateなどの脆弱性対策が行われておらず、すべての一般ユーザーに管理者権限が付与されていた。
- 2さらに管理者のID・パスワードが院内で使い回されていたため、侵入後の資格情報窃取と水平展開を容易にし、短時間での暗号化を許した。
- 3調査報告書は「技術的な脆弱性というよりも、組織としての危機意識の低さ、不適切な契約・運用による人災の側面が強い」という趣旨で、厚生労働省のガイドラインを順守していれば十分に防げた事案であったとした。
経過
2024年5月19日から270日間の記録。軸は日数の平方根で縮めています。
- 2024.05.190日目
仮想基盤の障害を検知。翌20日にバックアップファイルから不審な拡張子を見つけてランサムウェアと確認し、同日ホームページでサイバー攻撃を受けたことを公表
- 2024.05.212日目
厚生労働省初動対応チームが現地入りし、プリンターサーバーからランサムウェアの実体を発見。暫定復旧方針を確認
- 2024.06.0719日目
病院長が岡山県警察本部で流出した要配慮個人情報を確認
- 2024.06.1123日目
岡山県庁で要配慮個人情報漏洩に関する記者会見を実施し公表
- 2024.07.0446日目
データ移行と検証が完了し、電子カルテが復旧
- 2024.08.1790日目
サーバーストレージの入れ替えを実施し、電子カルテが完全復旧
- 2025.02.13270日目
第三者調査委員会による『ランサムウェア事案調査報告書』を取りまとめ、2月14日に公表を周知
防げた手立て
番号は攻撃の道筋の図と対応します。
-
保守用VPN装置の脆弱性管理とID/パスワードの定期的な見直し (推測可能な認証情報の排除)
効く場所 1 -
外部接続点への多要素認証の導入
効く場所 1 -
サーバー・端末ユーザーへの管理者権限の付与の取りやめ (標準ユーザー運用)
効く場所 3 -
管理者アカウントのID/パスワードの使い回しの禁止
効く場所 3 -
閉域網を安全とみなさず、院内でもWindows Update等の脆弱性対策を実施する
効く場所 2
関係するページ
手口、グループ、事例のつながりは、収録データの記録だけから引いています。
関係するグループ
収録データにはまだ出ていない
出典
- ランサムウェア事案調査報告書 (地方独立行政法人岡山県精神科医療センター) 地方独立行政法人岡山県精神科医療センター (第三者調査委員会)・2025-02-13
- 地方独立行政法人 岡山県精神科医療センター ランサムウェア事案調査報告書について 地方独立行政法人岡山県精神科医療センター・2025-02-14
- 岡山県精神科医療センターにおけるサイバー攻撃に係る調査報告書の公表について 岡山県 (医療政策課)・2025-02-14
最終確認日 (2026年10月24日)
監修 平原尚樹(株式会社BlueAI 代表取締役CEO、ソフトウェアエンジニア、Google Cloud Architect)