用語集・事故への備えと対応
フォレンジック
Digital Forensics
フォレンジック(Digital Forensics)は、情報の完全性を保ちながら、端末やサーバー、ログなどのデータを収集し、調べて分析し、何が起きたかを明らかにする調査である。
別の呼び方 デジタルフォレンジック、フォレンジック調査、コンピュータフォレンジック、証拠保全
要点
- 意味 フォレンジック(Digital Forensics)は、情報の完全性を保ちながら、端末やサーバー、ログなどのデータを収集し、調べて分析し、何が起きたかを明らかにする調査です。
- 中小企業にとって 侵入経路や持ち出された範囲が分からないと、取引先や顧客への説明も再発防止策も推測に頼ることになる。
- このサイトでは 攻撃手法 1 種、事例 3 件のページと関わります。下の一覧から、記録のどこに関わるかを読めます。
中小企業にとっての意味
侵入経路や持ち出された範囲が分からないと、取引先や顧客への説明も再発防止策も推測に頼ることになる。
調査の材料はログやディスクの中身なので、事故の後に慌てて機器を初期化すると手がかりが失われる。
中小企業が自前で調査するのは難しいため、平時にログを残す設定を確かめ、依頼できる外部の専門業者や相談窓口を調べておくことが現実的である。
よくある誤解
- 誤解フォレンジックは裁判になるときだけ必要な特殊な調査だ
- 実際NIST SP 800-86は、法執行ではなくIT側の視点から、セキュリティ事故の調査や運用上の問題の切り分けにフォレンジックの手法を使うための手引きである。原因と影響範囲を知るための通常の事故対応の一部である。
- 誤解調べるのは後でよいので、まずは機器を初期化して復旧を急ぐべきだ
- 実際IPAの手引きは、電源を切るなどの不用意な操作で記録を消さないようにし、事実関係を裏付ける証拠を保全したうえで必要に応じてフォレンジック調査を行うよう求めている。
このサイトの手口と事例との関係
関係は、それぞれのページに収録した記録の範囲で書いています。
- 攻撃手法横展開
記録は横展開が正規の管理ツールに紛れて行われると示しており、どこまで広がったかを後から確かめるにはフォレンジック調査が要る段階である。
- 事例HOYA
記録によると、HOYAはフォレンジック調査の結果、攻撃者が一部システムにアクセスしてファイルを窃取したことが判明したと公表している。
- 事例名古屋港
記録は感染経路が断定されていないとしており、対策として「VPN機器のログの保全」を挙げている。
- 事例KADOKAWA
記録は根本原因がアカウント情報の窃取と推測されるものの経路と方法は不明としており、調査で確定できる範囲に限りがあることを示している。
出典
- digital forensics - Glossary NIST
- SP 800-86, Guide to Integrating Forensic Techniques into Incident Response NIST・2006-08
- 中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版 付録8) IPA・2026-03
最終確認日 (2026年10月24日)
監修 平原尚樹(株式会社BlueAI 代表取締役CEO、ソフトウェアエンジニア、Google Cloud Architect)