ガイド・中小企業の対策
サイバーセキュリティお助け隊サービスとは 中身、料金の上限、補助金
「サイバーセキュリティお助け隊サービス」は、IPA が基準を決め、満たしたサービスを登録して公表している中小企業向けのセキュリティサービスです。IPA のサービス基準(2.1版、2025年9月)と、デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)の2026年の公募要領から、中身、料金の上限、選び方、補助金の使い方をまとめました。
要点
- 何か お助け隊サービスは、相談窓口、異常の監視、事故のときの駆け付け、簡易サイバー保険を1つの契約にまとめた民間のサービスで、IPA の基準に合うと認められたものだけがお助け隊マークを使えます。
- 料金の上限 1類のサービスは、初期費用がネットワーク監視か端末監視で50万円以下、月額がネットワーク監視で1万円以下、端末監視で1台2,000円以下(いずれも税抜き)と基準で決まっています。
- 補助金 デジタル化・AI導入補助金2026のセキュリティ対策推進枠では、お助け隊サービスリストに載ったサービスの利用料を最大2年分、中小企業は2分の1以内、小規模事業者は3分の2以内、5万円から150万円まで補助し、SECURITY ACTION の宣言が申請の条件です。
最終確認日 (出典はページの最後)
お助け隊サービスとは
サイバーセキュリティお助け隊サービスは、中小企業がサイバー攻撃に備えるのに欠かせないサービスを1つのパッケージにまとめた、民間の事業者が提供するサービスです。IPA は2021年春に制度を始め、基準に合うサービスに「お助け隊マーク」を付けて広めています。
IPA のサービス基準(2.1版)は、相談窓口、異常の監視、事故のときの初動の対応(駆け付けなど)、簡易サイバー保険などを、中小企業の実情に合った内容で、安く効果的な1つのパッケージで届けることを基本の考え方にしています。目的には、サプライチェーン全体のセキュリティの底上げも挙げています。マークを使えるのは基準を満たしたサービスだけで、セキュリティソフトや監視機器などの個別の製品は対象になりません。
サービスは2年ごとに更新の審査を受けます。登録の審査は受付期間を区切って行われ、2026年10月20日には第14回の審査で15のサービスが一覧に加わりました。
1つの契約に入っているもの
基準が1類のサービスに求めるものを、事故が起きる順に並べました。
- 1見つける24時間の監視
ネットワークか端末を24時間見守り、攻撃を見つけて知らせる。重大な事故は即時(60分以内が目標)に知らせる。
- 2相談する相談窓口
警告の意味、機器の設置、サービスの中身や価格の問い合わせを、1つの窓口で受ける。
- 3対応する駆け付け
求めに応じて技術者を指定の場所に送る。合意すれば遠隔の対応もできる。少なくとも年1回は利用者の費用負担なしで行う。
- 4費用に備える簡易サイバー保険
事故の対応で突然かかる費用を補償する保険が付いている。初動の対応の費用も補償の対象にする。
- 1見つける24時間の監視
ネットワークか端末を24時間見守り、攻撃を見つけて知らせる。重大な事故は即時(60分以内が目標)に知らせる。
- 2相談する相談窓口
警告の意味、機器の設置、サービスの中身や価格の問い合わせを、1つの窓口で受ける。
- 3対応する駆け付け
求めに応じて技術者を指定の場所に送る。合意すれば遠隔の対応もできる。少なくとも年1回は利用者の費用負担なしで行う。
- 4費用に備える簡易サイバー保険
事故の対応で突然かかる費用を補償する保険が付いている。初動の対応の費用も補償の対象にする。
| 基準の項目 | 中身 | 基準の決まり |
|---|---|---|
| 相談窓口 | サービスの中身や価格、UTM の設置、警告の意味、価格の相談を1つの窓口で受ける | 窓口を一元化するか、わかりやすく案内する |
| 異常の監視 | ネットワーク監視(UTM など)か端末監視(EDR など)で24時間見守る | 重大な事故は即時(60分以内が目標)、それ以外は週1回のレポートなどで知らせる |
| 駆け付け支援 | 求めに応じて技術者を指定の場所に送る | 少なくとも年1回は利用者の費用負担なし。遠隔の対応だけでは足りない |
| 簡易サイバー保険 | 事故の対応で突然かかる費用を補償する | 付いていることが必須。初動の対応の費用も補償の対象にする |
| 導入の簡単さ | IT やセキュリティに詳しくない人でも入れて使える | 工夫が凝らされていること |
| ワンパッケージ | 上の5つを原則1つの契約で | 監視装置のメーカーと型式、データを保存するサーバの国を契約に書く |
監視の仕組みのうち、UTM はネットワークの出入口に置く機器、EDR はパソコンやサーバに入れて不審な動きを見るソフトです。
料金の上限、1類と2類
| 項目 | 1類 | 2類 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 基本の類型 | 2024年3月の基準2.0版で加わった、1類を広げた類型 |
| 初期費用 | ネットワーク監視50万円以下、端末監視は端末数によらず50万円以下、併用は100万円以下(税抜き) | 数値の上限なし。利用者の状況に照らして相応で妥当な額 |
| 月額 | ネットワーク監視1万円以下、端末監視は1台2,000円以下(税抜き)。併用は両方を満たす | 同上 |
| 契約 | 端末1台から。最低契約期間は2年以内 | 端末1台から。最低契約期間は2年以内 |
| 求められること | 上の表の6つ | 1類の提供の実績を前提に、監視する端末を増やす、ネットワーク監視と端末監視の併用やクラウドの監視を加える、監視の機能を加える、毎月使うサービスを加える、のいずれか1つ以上 |
2類を提供する事業者は、利用者に求められたら、使っている1類との違いがわかる比較表を出すことになっています。
選び方
- 監視するものを決める社内のネットワークの出入口を見るネットワーク監視か、パソコンやサーバを見る端末監視か、両方かを決めます。警察庁の統計では、ランサムウェアの被害で侵入経路に回答した2025年の92件のうち61件が VPN 機器でした(感染経路のガイド)。外から入れる機器を持つ会社は、入口の監視を考えます。
- 対象地域を確かめる全国で提供するサービスと、地域を限ったサービスがあります。IPA は利用者向けに、対象地域から事業者を探す一覧と、監視の種類でサービスを比べる一覧を出しています。
- 契約書で確かめる初期費用と月額、最低契約期間、途中で解約したときの違約金、駆け付けの条件、保険が補償する範囲を確かめます。基準は、これらを契約に書き、口頭か書面でわかりやすく説明するよう事業者に求めています。
- 事故の手順に組み込む監視の知らせを誰が受け、駆け付けを誰が頼むかを決めます。
監視は入口を守る仕組みの1つです。関通の事例や岡山県精神科医療センターの事例のように VPN 装置から入られる被害や、アスクルの事例のように監視のないサーバで広がる被害もあります。監視は見つけて知らせる仕組みなので、入口の機器の更新と多要素認証で入られにくくし、バックアップで元に戻せるようにしておくことと組み合わせます。先にやることはランサムウェア対策 中小企業が先にやることにまとめています。
SECURITY ACTION と補助金との関係
デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金)には、お助け隊サービスの利用料を補助する「セキュリティ対策推進枠」があります。2026年10月9日に出た公募要領の内容は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象のサービス | IPA の「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載ったサービスのうち、IT導入支援事業者が提供し、事務局に事前に登録されたもの |
| 補助する経費 | サービス利用料(最大2年分) |
| 補助率 | 中小企業は2分の1以内、小規模事業者は3分の2以内 |
| 補助額 | 5万円から150万円 |
| 申請の条件 | SECURITY ACTION の一つ星か二つ星の宣言、GビズIDプライムの取得など |
| 申請できないとき | 同じお助け隊サービスを含む IT ツールで、IT導入補助金2022〜2025のいずれかの枠で交付決定を受けた場合など |
SECURITY ACTION は、中小企業が対策に取り組むことを自ら宣言する IPA の無料の制度です。交付申請のときに宣言済みのアカウント ID を入力します。宣言の手順はSECURITY ACTION 宣言のやり方にまとめています。公募要領は公募の回ごとに改められ、第7次の公募からは給与の引き上げに関わる申請の要件が加わっています。申請の前に、その回の公募要領を確かめてください。
よくある質問
- お助け隊サービスは IPA が提供しているのですか。
- いいえ。サービスを提供するのは民間の事業者で、契約も事業者と結びます。IPA はサービス基準を決め、審査で基準に合うと認められたサービスにお助け隊マークの使用を許諾し、一覧を公表しています。
- 料金はいくらですか。
- サービスごとに違います。1類の基準では、初期費用の合計がネットワーク監視、端末監視とも50万円以下(併用は100万円以下)、月額がネットワーク監視で1万円以下、端末監視で1台あたり2,000円以下(いずれも税抜き)です。2類は数値の上限がなく、利用者の状況に照らして相応で妥当な額とされています。
- 補助金を使うには、何が必要ですか。
- デジタル化・AI導入補助金2026のセキュリティ対策推進枠では、SECURITY ACTION の一つ星か二つ星の宣言と、GビズIDプライムが申請の条件です。対象は、お助け隊サービスリストに載り、IT導入支援事業者が事務局に登録したサービスに限られます。
- 1類と2類はどう違いますか。
- 2類は2024年3月の基準2.0版で加わった類型で、1類の提供の実績があることを前提に、監視する端末を増やす、クラウドの監視を加える、毎月のサービスを加えるなど、1類より広げた内容が求められます。価格には数値の上限がありません。
- パソコン1台だけでも契約できますか。
- できます。基準は、端末1台から契約できること、最低契約期間を2年以内にすることを求めています。
関係するページ
このページが根拠に使っている手口、グループ、事例のページです。
次に読む
出典
- 令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(統計編124ページ、PDF 136ページ) 警察庁サイバー警察局・2026-03
- サイバーセキュリティお助け隊サービス制度 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・2026-04-28
- サイバーセキュリティお助け隊サービス基準(2.1版)(3〜10ページ) IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・2025-09-08
- サイバーセキュリティお助け隊サービス(2類) IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・2026-04-22
- サイバーセキュリティお助け隊サービス 登録サービス一覧 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・2026-10-20
- 登録申請について(ITベンダー・サービス提供事業者向け) IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・2026-10-16
- サイバーセキュリティお助け隊サービス よくある質問 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・2025-06-02
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領 セキュリティ対策推進枠(2、6〜7、14〜17、36ページ) デジタル化・AI導入補助金事務局(中小企業基盤整備機構)・2026-10-09
最終確認日 (2026年10月24日)
監修 平原尚樹(株式会社BlueAI 代表取締役CEO、ソフトウェアエンジニア、Google Cloud Architect)